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非接触型ICカードの仕組みを知りたい

概要

非接触型ICカードがどのように動作し、どのような技術が使われているかについてまとめます.非接触を実現しているのは高校でも扱う電磁誘導の仕組みです.またカード自体の個体認識やセキュアな通信(他に盗聴されない)には公開鍵暗号方式の秘密鍵などが用いられる.
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この章を学ぶ前に必要な知識
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効果
  • 非接触型ICカードの仕組みを知る
ポイント
  • セキュリティのため、カードを解析されにくい耐タンパ性を持つことが大切
  • 通信はリーダーとICカードのみになるようにする

解 説

非接触型ICカードの仕組みについて簡単にまとめます. 非接触型ICカードは、端末に直接触らなくても通信を行い、決済をしたり、個人を認証したりできるシステムです. ICOCA, PASMO, Felicaなどもこの非接触型ICカードの一例です.
非接触型ICカードの仕組みを知りたい
簡単な概略図.
ICカード: カード自体に当然小さなチップが含まれています.この小さなチップが計算をしたりしながらリーダとやりとりをして処理を進めていきます.内部にはROMやCPUなどが含まれています.そのため稼働するためには電源が必要になります. 非接触を実現: カードにはアンテナが貼られており、改札などのリーダーから出ている微弱な磁場を横切るときに発生する電流を頼りに通信やりとりを行います.これは高校でも習う電磁誘導を応用して実現されています. 個人の認証/通信の安全性 通常の通信と同様にICカードが本当に本人かを確認する必要があります.そのため、方式によりますがICカードなどには公開鍵暗号方式において使われる秘密鍵(や公開鍵)を内包していることが多いです. これらの秘密鍵を使ってリーダー(サーバー側)に本人であるユーザの認証をするとともに以後の通信で他の人に盗み見(盗聴)されないようなセキュアな通信を実現します.
技術のポイント
個人の特定や通信の盗聴を防ぐ、公開鍵暗号方式の仕組みは右の知識で解説しています.
公開鍵暗号方式とは
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知識: 公開鍵暗号方式とは
公開鍵暗号方式は、誰にも知られてはならない秘密鍵とみんなに共有する公開鍵の二つの鍵を用いて安全な通信を実現する暗号方式.共通鍵方式では安全に共通の鍵を送受信者間で共有する問題があったが、そのようなことは公開鍵暗号では起こらない.改ざんや盗聴、なりすましなど複数の問題において対策を打つことができます.有名どころではRSA暗号方式などが実現する手段として知られている.