大津の方法による二値化フィルタ

概要

大津の方法による二値化フィルタは、画像内に明るい画像部位と暗い部位の二つのクラスがあると想定して最もクラスの分離度が高くなるように閾値を自動決定する二値化フィルタ.人間が事前に決める値はない.
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この章を学ぶ前に必要な知識
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条件
  • 入力画像はグレースケール画像
効果
  • 自動決定された閾値で二値化される
  • 出力画像は二値化画像(Binary Image)
ポイント
  • 閾値を人間で決める必要はない.候補の閾値全てで分離度を算出し、最も分離度が高いものを採用
  • 画像を二つのクラスに分離するのに適切になるよう閾値を選択

解 説

大津の方法による二値化フィルタは、画像内に明るい画像部位と暗い部位の二つの分割できるグループがあると想定して最もクラスの分離度が高くなるように閾値を自動決定する二値化フィルタ. シンプルな二値化フィルタでは人間があらかじめ閾値を決めていたため、明るさの変動に弱かったが、この方法ではある程度調整が効く.
大津の方法による二値化フィルタ
大津の方法では、 「二つのグループに画素を分けた時に同じグループはなるべく集まっていて、異なるグループはなるべく離れるような分け方が最もよい」と考えて 閾値を考える.このときのグループは比較的明るいグループと比較的暗いグループのふたつのグループになる. 下のヒストグラムを見るとわかりやすい. ここで、 クラス内分散: 各クラスでどれくらいばらついているか(各クラスの分散の平均).小さいほど集まっていてよい クラス間分散: クラス同士でどれくらいばらついているか(各クラスの平均値の分散).大きいほどクラス同士が離れていて良い. といった特徴を計算できるので、 $$分離度 = \frac{クラス間分散}{クラス内分散}$$ としたら、分離度(二つのクラスがどれくらい分離できているか)を大きくすればよいとわかる.このとき $$全分散 = クラス間分散 + クラス内分散$$ とわかっているので、 分離度は、 $$分離度 = \frac{クラス間分散}{全分散(固定値) - クラス間分散}$$ と書き直せる.これを最大にすればよいので、つまりはクラス間分散を大きくすれば良い 大津の方法は、一次元のフィッシャー判別分析.
大津の方法による閾値の自動決定
大津の方法を行なっている処理の様子. 大津の方法は、候補になりうる閾値を全て試しながらその分離度を求める. その中で最も分離度が高いものを洗濯している. 左では中央あたりで閾値を引いている.
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