サーカムスクリプション

概要

サーカムスクリプション(極小限定)は、宣言されていることだけが正しいものと仮定して推論を行う.閉世界仮説のように明示的に示されていないものは偽とする.例外がありうるときにも「例外である」としていないものは全て「例外でない」として扱う.
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条件
  • 例外は全て知っているものと仮定
効果
  • 明示されていないことは偽であるとする
ポイント
  • 新しい知識を加えても知識が増えるとは限らない(非単調論理)

解 説

サーカムスクリプション(極小限定)は、宣言されていることだけが正しいものと仮定して推論を行う.閉世界仮説のように明示的に示されていないものは偽とする.例外がありうるときにも「例外である」としていないものは全て「例外でない」として扱う. よくある「ペンギン」と「鳥」の例を提示する. ・Penguin(x)→¬Fly(x) ・Penguin(x)→Bird(x) ということがわかっているときに、全ての鳥の種類に「OOO(x)→Fly(x)」と書くわけにはいかないので、 「Bird(x)は普通はFly()」のような記述がしたい. それを愚直に書くとしたら 「異常である」を示す述語Abnormalを導入して ・Bird(x) ^ ¬Abnormal(x)→Fly(x) の形で記述することができたら理想である. しかし、例えばPigeon:鳩の場合を考えると ・Bird(Pigeon)^ ¬Abnormal(Pigeon)→Fly(Pigeon) という評価をすることになるが、結局「¬Abnormal(Pigeon)」を宣言していないとならない. そこで「サーカムスクリプション」を導入する. サーカムスクリプションでは宣言していないことは偽であるため、「Abnormal(Pigeon)」を宣言していないので偽として扱い、「¬Abnormal(Pigeon)」は真であると評価することができる. そのため適切に Bird(Pigeon)^ ¬Abnormal(Pigeon)→Fly(Pigeon) から「Fly(Pigeon)」を導出することができるようになった. 逆にPenguinに対しては、 ・Abnormal(Penguin) の宣言が必要となる.
サーカムスクリプション(極小限定)
$$Circ(K) = K \land \forall x (P \to Q) \to \forall x(Q\to P) $$ 上記の式は「PならばQのとき、QならばP」を示している. PならばQのとき、QならばPというのは、 「xが焼けるものはxは食べれるもの」のとき「xは食べれるものはxはごはん」 とおうこと.PとQは同一のもので置き換えられるものとなる. ペンギンはAbnormalなので、Abnormalなものはペンギン. Abnormalじゃないものはペンギンじゃない. ペンギンじゃないものはAbnormalじゃない.
サーカムスクリプションの定義
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