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3次関数と接線の面積算出の1/12公式

概要

三次関数とその接線で囲まれる面積を求める公式として1/12公式があります.計算を簡略化して計算ミスを減らすために使用されます.1/12公式を知らない採点官がいることもあるため、大学試験においては導出の途中で用いるときに完全に途中式をスキップするのは避けた方がよいかもしれません.
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この章を学ぶ前に必要な知識
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条件
  • 放物線と三次関数で囲まれた面積を求める
効果
  • 面積の計算において計算を簡単にすることができる
  • y=ax^3+bx^2+cx+dと接線で囲まれた面積は交点の座標をα,βとしてa*(α-β)^4/12
ポイント
  • 放物線のaの係数のみ使用します

解 説

三次関数とその接線で囲まれる面積を求める公式として1/12公式があります. (以下1/6公式と同様)計算を簡略化して計算ミスを減らすために使用されます.1/12公式を知らない採点官がいることもあるため、大学試験においては導出の途中で用いるときに完全に途中式をスキップするのは避けた方がよいかもしれません.(という話を聞いたことがあります.).念の為、この公式の導出を覚えておけば実際に計算をせずに途中式のみを提示することができます.
三次関数とその接線の面積算出の1/12公式とは
以下のような三次関数 $$y =ax^3+bx^2+cx+d$$ としたときに、その接線を $$y=px+q$$ として、接線と三次関数の交点のx座標を\(\alpha,\beta \)とすると、 $$\frac{|a|}{12}(\beta-\alpha)^4$$ が求める面積となります.
三次関数とその接線の面積算出の1/12公式
二次関数と直線の囲む面積も同様の導出なので参考にしてください.

1.導出

導出は簡単で、二次関数と直線の間の面積とほぼ同じです. $$\int_{\alpha}^\beta a(x-\alpha)^2 (x-\beta)dx \\ = \int_{\alpha}^\beta a(x-\alpha)^2((x-\alpha) + (\alpha - \beta))dx \\ = a\int_{\alpha}^\beta ((x-\alpha)^3 - (\beta- \alpha )(x-\alpha)^2)dx \\ = a\left[ \frac{ (x-\alpha )^4 }{ 4 } - (\beta - \alpha )\frac{(x-\alpha )^3 }{ 3 } \right]_{\alpha}^{\beta} \\ = -\frac{(\beta - \alpha )^4 }{12}$$
1/12公式の導出

2.β-αを求める

β-αの計算についても上記の二次関数と直線の面積にて、 ・通常の解を求める方法 ・解と係数の関係による方法 の二つの方法について書いてますので、参考にしてください.
β-αを求める
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知識: 直線と放物線の面積算出の1/6公式
直線と放物線で囲まれる面積を求める公式として1/6公式があります.計算を簡略化して計算ミスを減らすために使用されます.1/6公式を知らない採点官がいることもあるため、大学試験においては導出の途中で用いるときに完全に途中式をスキップするのは避けた方がよいかもしれません.